一般通過人の通過記録

主に院試について話す気まぐれブログ

院生から見た,研究室訪問の重要性

えー,ご無沙汰しております.

2017年に院試を受験,2018年4月から院生となったワタシですが,最近改めて研究室訪問の重要性を思い知ったので,以前の記事の補足という形で,研究室訪問の際に聞くべきこと,見ておくべきポイントを挙げておきます.

 

以前の記事はコチラ↓

 

1 研究室選びの基本

 まず基本ですが,

・自分が大学院に進みたいと思った動機

・大学院でやりたいこと/身に着けたい能力や知識

を自分の中で明確化し,配属希望の研究室がその要求を満たせるか(自分の欲しいモノと研究室で提供されるモノが合致するかどうか)を軸として,研究室を選べばいいでしょう.上記の要求が複数ある場合は,それぞれの優先順位をつけておくとスムーズに決められますね.

 

例えば...

 

1.自動車のサス制御の研究に取り組みたい

2.(完成車メーカーに行きたいので)自動車業界におけるトレンドに敏感な研究室がいい あとコネが欲しい

3.業務を効率よくこなす能力を身に着けたい

4.在学中に短期留学したい

5.バイトがあるので土日は休みたい できれば平日も休みたい

 

といった具合.この辺は人によりけりでしょう.

 

2 研究室訪問で聞く/見ておくべきポイント

 基本的には,前項の要求を満たせるかどうか,を聞いてみればいいのですが,院生目線で見た,「聞く/見ておくべきポイント」をリスト化しました.内容的に教員には聞きにくいこともあるので,その場合は院生に聞いてみましょう.

キーワードは,「いかに快適に研究するか」です.

 

1.留学生の人数

多ければいい,少なければいい,という問題ではなく...

一つ目は語学の問題.留学生は基本英語を話します(当たり前ですが).もちろん日常会話程度であれば日本語も通じますが,研究の議論をする場合は英語が必須です.「英語をガンガン使って上達したい」といった人は留学生が多めの研究室を選ぶといいかもしれません.逆に,英語が苦手な人は留学生がすくなめ,もしくはいない研究室を選ぶのが賢明でしょう.なお留学生の有無にかかわらず英語力は必須な模様(英論を読む,海外での発表,英語での講義etc...).

どうしても英語が嫌だ!という人は素直に学部就職しましょう.なお企業によっては学部で就職しても英語からはあぁ逃れられない!(絶望).

 

…諦めてTOEICの勉強からはじめましょう(提案).

 

二つ目は文化の問題.日本人的な「察してくれる」文化に慣れていると痛い目を見ます.あとは生活の些細な部分に違いが出てきます(ゴミを片付けない,時間にルーズ,言われたことをやらないetc...).これもどちらが良い,悪いの問題ではありませんが,他文化に対する理解や寛容性,コミュニケーション力がないと苦労します.逆に,「多様な価値観に触れたい」,「異文化の人と関わりたい」といった人にはいいかもしれません.

 

2.ミーティングや中間発表の頻度

 完全放置型の研究室を除けば,どこも大体週1~数ヶ月に1回の頻度でミーティングや進捗報告会があります.ミーティングでは,

 

・研究の進捗状況や課題点の共有

・今後の研究方針に関する議論

 

などについて,教員と学生で議論を行い,今後の方針を決定します.学生にとっては,研究を進め修了するための大事なイベントです.が,ミーティングの頻度が高すぎる場合(教員が多くの成果を求めてくる場合が多い),ともすると,ミーティングのために徹夜で実験し,やっつけ仕事のスライド,グラフと考察を披露して教員にお叱りを受ける場となってしまいます.ミーティング内容のために実験をするのでは,本末転倒ですよね.

 

 じゃあどうすればいいのか,ですが...

頻繁に進捗をチェックしてもらわないと研究が進まない,という人は週1程度でミーティング(研究成果を求めるのではなく,文字通りの進捗報告を求めるもの)をしてくれる研究室に行った方がいいでしょう.逆に,教員に縛られずに自由に研究したい,という人はミーティング頻度が低い,もしくは無い研究室を選ぶといいでしょう(もちろん,自由にやって成果が出なかった場合は自己責任ですが).

 ちなみにワタシは,定例のミーティングとは別に,1,2週間に一度セルフミーティングをしています.

 

3.イベントの有無(飲み会やスポーツ大会等)

 研究室によっては,様々なイベントに直面することになります.例を挙げると,

 

・新歓,打ち上げ,忘年会等の飲み会,OBOG会

・研究室旅行(旅行とは言っていない)や合宿

・学科主催の研究室対抗スポーツ大会や体育祭

・文化祭での模擬店

 

など.この辺のイベントの有無は,教員の考え方によるところが大きいので,自分の意志で参加不参加を決めるのは難しいでしょう.特に飲み会では,ドンドン飲ませてくる教員が稀にいるので酒が苦手な人は注意.またこれらのイベントは,基本的に学生が計画運営するので,研究時間が減るという問題も(居酒屋や旅行の手配,スポーツ大会の練習,模擬店の仕入れなど,大変です).研究室訪問の際には,

 

・年間を通してどのようなイベントがあるのか

・イベントの意義,目的(教員に聞ければ)

・強制参加の有無

・費用負担の有無

・飲み会の雰囲気

 

あたりを聞いておき,自分とマッチするか判断しましょう.

 

4.学会発表の交通費,宿泊費は出るか

コレ,一番重要な問題です.学会発表をする場合は,研究室の予算から交通費が出るのが一般的ですが,ごく一部の研究室では,「カネが無いので自腹で行ってきてね♡」ということも.また,交通費は出すけど学会の加入費(数千円から一万円)は自腹,というところもあるので注意.

  

5.寝袋の有無

寝袋=宿泊です.日常的に宿泊者がいる研究室の場合,宿泊設備が充実しています.私の知っている中では,寝袋3,布団一組,2段ベッドに折り畳みベッド2,が最高です.簡易宿泊所かな?

研究室に泊まりたくない人は要チェック.

…まぁ泊まらずに済むように工夫して研究しろよって話ですが(研究室の近くに住む,解析や資料作成は自宅でできるようにするとか).

 

 6.学生室の環境

院生と話をするときに,学生室に入る機会があるかと思います.その際,

 

・1人に一組の机椅子PCが割り当てられているか

・解析用PCのスペック(CAE解析等をする場合)

・PCやモニターは比較的新しいか

 ・掃除や整理整頓はされているか

 

あたりを見ておくと,研究室の大まかな経済状況と治安(?)がわかります.経済状況が良くない研究室だと,ン10年前の丸椅子に,ラックとベニヤ板の簡易机,15年前の化石PC(HDD容量が50GB!!)という例がありました.また,掃除がされていない研究室や,ごみ箱からゴミが溢れている研究室は,運営に問題がある可能性があります.単に学生が怠けているorそもそも研究室に来ない場合と,ごみ捨ての暇すらないほど忙しい場合がありますが.

 

 

以上,参考までに.