一般通過人の通過記録

主に院試について話す気まぐれブログ

院試生活のあらまし(研究室訪問編)

さて今回は研究室訪問について.

 

結論から言うと,研究室訪問は大事! です.

 

追記:院試合格後の研究室訪問についてはコチラを参照↓

flat6-power.hatenablog.com

 

 

 研究室ってどうやって決めるの?

院試では,合不合の判定と同時に,入学後に配属となる研究室の調整も行われるのが一般的です.つまり院試に合格した場合,「あなたは○○大学院○○専攻に合格し,○○研究室に配属されました」という書類が送られてくるわけです.

 

研究室の調整をどのようにしているのかというと…

 

 1.出願時,自分の希望する研究室を書類に記入する.

○○研に行きたい!という希望を記入します.大学により,「第2希望まで」「第5希望まで」「第8希望まで記入し,希望する研究室に配属にならなくても合格を希望する(要はどの研究室でもいい)」という感じになります.

 

 2.試験の点数でボーダーラインを引き,得点の高い受験者から研究室を割り振る.

各研究室には定員があるため,得点の高い人ほど,自分の希望する研究室に入りやすい,ということになります.

研究室の定員やどの研究室が人気なのか,試験のボーダーライン,得点しやすい選択科目といった情報を外部から手に入れるためには,研究室にいる先生や院生に直接聞く必要があるわけです.

 

 研究室訪問の流れ

 では,どのような流れで研究室訪問をすればよいのでしょうか.

 

1.研究室のボス(教授)にメールでアポをとる

大学,研究室のHP,大学院案内の冊子等をみれば,研究室のボスのメールアドレスが載っています.そのアドレス宛に,

 

・自分は○○大○○学部の3年生であり,外部進学を希望していること

・進学先として貴研究室に興味があること

・研究の詳細を知るために,研究室を訪問したいこと

 

などを書いたメールを送り,アポをとりましょう.

参考までに,例文を掲載します(使用は自己責任で).

間違ってもそのままコピペして送らないように!

コピペはバレます.

 

件名:研究室訪問のお願い(○○大 (名前))

本文:

初めてご連絡差し上げます.

○○大○○学部○○学科 学部3年の (名前) と申します.

 

現在私は,大学院進学を検討しており,大学院では○○に関する研究を行いたいと考えています.

  ○○研究室のホームページを拝見し,○○の研究をされているということで, 大変興味を持っております.ぜひ一度、研究室を訪問し,研究内容や進学のことについてお話を伺いたく, ご連絡を差し上げた次第です.   

お忙しいところ恐縮ですが、○月中に訪問の時間をいただけませんでしょうか。 先生のご都合のよい日時を数候補挙げていただければ幸いです.   

何卒よろしくお願いいたします.

 

---------

(署名)

 

 

2.研究室を訪問する

教授と連絡が取れたら,研究室を訪問しましょう.

就活ではないので,服装は普段着でいいと思います(私も普段着でした).ただし,教授は貴重な時間を割いて応対してくれるわけですから,失礼な格好は避けた方が無難でしょう.短パンにビーチサンダルとか…ね.

手土産等を持っていくと喜ばれるかもしれません.私は持っていきませんでしたが.

訪問後のお礼メールも忘れずに.

 

研究室訪問で聞くべきこと

 

せっかく訪問したのに聞き忘れた!なんてことがないように事前に箇条書きにしておきましょう.筆記用具は必須です.

 

・研究内容

コアタイムの有無

・勉強会やゼミの頻度,内容

・学生の指導方針

・学会発表を行う学生はどの程度いるのか

・1学年当たりの配属人数(定員)と内部進学者の人数

・外部進学者の有無

 

研究内容については,事前にHP等で知ることができますが,HPには載っていない,細かいところを聞いてみましょう.教授はその道のプロですから,些細な疑問にも答えてくれるはずです.

コアタイム,勉強会,指導方針云々を聞くと,その研究室の雰囲気がなんとなくわかります.主観ですが,コアタイムのあるところは面倒見がよい(悪く言えば自由度が低い)という印象があります.コアタイムが無いところは放置系か,とんでもなく忙しいかの2択…ですかね.

学会発表についても聞いてみましょう.それなりの研究室であれば,毎年誰かしらは学会に行っているはずです.数年間誰も学会発表をしていないとか,論文投稿をしていない研究室は,何かしらの問題を抱えている可能性があります.

 一番大事なのが,1学年あたりの定員と内部進学者の人数,そして外部進学者の有無.

例えば,あなたが配属を希望しているA研究室の,学部4年と修士1年の定員がそれぞれ4人ずつだとします.A研究室配属の4年生4人全員が,A日程などと呼ばれる学内推薦で修士課程に内部進学した場合,その時点で定員になってしまいます.つまり,あなたが一般入試でいくら高得点をとってもA研究室には行けない…ということになるる可能性が.

これを防ぐために,定員が何名なのかを聞いておく必要があるわけですね.研究室訪問の時期によっては,研究室に配属となる学生の進路がある程度判明している場合があるので,「研究室の4年生のうち何名が内部進学するのか」を聞いておきましょう.

外部進学者の有無ですが,比較的オープンな研究室では,外部進学者が毎年1,2名は入学していることが多いです.ボスの方針で,外部生を全くとらないようにしている研究室もあるとかないとか….

 

 

もし研究室の院生と話をする機会があれば,以下のことを聞いておくと有益でしょう.

 

・ボスはどんな人か(性格等)

・就活のしやすさ,主な就職先

・土日や長期休みは何をしているのか

ぶっちゃけブラックだと思う?

 

 入学後,一番関わることになるのが,研究室のボス.議論やゼミ,卒業か否かの判定をするのはボスの仕事です.研究室訪問の際,まずはボスと話すと思うので,そこであなたとボスの相性をある程度見極めることが必要です.

ただし,研究室を訪問したあなたはあくまで「お客様」.仮にパワハラアカハラ三昧のボスであってもお客様であるあなたにはそれなりの対応をするはず.

そこで院生に話を聞くことで,普段のボスの様子を把握しておこう,というワケです.もしそこがブラックな研究室であれば,ボスの(研究室の)ブラックな話を心ゆくまで聞かせてくれるでしょう.

次に就職先と就活の話.研究室によっては,ボスが就活をさせてくれないとか,就活中も毎日研究室に行かなければならない,なんてこともあります.逆に,業界に強いコネをもつボスなら,就活の際いろいろ優遇してもらえることも.

 土日や長期休みは何をしているのか.そんな質問をしてどうするんだ! と言われそうですが,これが案外大事.

「土日?研究に決まってんじゃん」「そもそも休みなんて無い」「平日の睡眠不足を補うため寝ている」なんて答えがかえってきたらそこはかなりハードな研究室とみていいでしょう(答えてくれた院生が研究大好き人間で,自発的にやっているなら別ですが).

「趣味の○○をしている」「カノジョとデート」等,個人的なことをしている場合は,オンとオフの区別がはっきりしている研究室だと考えられます.個人的にはこれが一番好ましいと思います.

「土日?毎日が休日さ!」という場合は放置系研究室の可能性があります.単にその院生がサボり魔なだけかもしれませんが.

 

さらに外部出身の院生がいれば,院試について,

たとえば

・使用した参考書

TOEICのスコア

・選択科目は何をとるべきか

・志望理由書や研究計画書に何を書いたか

・過去問の解答はあるか(あるならくれ!)

 

あたりを聞くとよいでしょう.

 

いつ訪問すべき?

行きたいときに行けばよいと思います.ただし,年末年始や卒論で忙しい1,2月は避けた方が無難でしょう.院試直前の6-8月もNGですね.となると,3年後期の9-11月,翌年3月か,4年前期の4,5月あたりになりますね.どの大学も,3月後半あたりから院試説明会が始まるので,それに合わせて訪問する人が多い印象です.

 

 一番大事なこと

今回は研究室訪問について,長々と語ってきましたが,一番大事なことは,「ここだけは譲れない!」という基準をもち,その基準を満たす研究室を見つけ,進学することです.ミスマッチは,あなたと研究室のメンバー双方を不幸にします.就活と一緒ですね.

 

追記2:院生視点で見た,研究室訪問の重要性について記事にしました.

flat6-power.hatenablog.com